草太と花子3

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そうたとはなこ

おとうさんからきいた紙のはなし 第三話

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ぼく、このごろ気になっていることがあるんだ。

 夏におばあちゃんから届いたハガキに、
 きれいなアサガオの花のちぎり絵が貼ってあったの。
  
和紙(わし)っていう日本独特のじょうぶな紙を
つかったものなんだって。

紙にはいろいろな種類があるみたいだよ。

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あ、おかあさんと花子だ!
     買い物の帰りに公園でサクラの落ち葉をひろったんだって。
 いいなあ~。

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夕ごはんまでのあいだ、ぼくといもうとの花子は
  家の中にあるいろいろな紙を集めて、
 「紙しらべ」をする約束なんだ。




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 「おっ、集まったなー。これ、どんなふうに分けてあるの?」
  とぼくが聞くと、花子が答えた。

「あのね、こっちはわたしが『きれいだなあ』『かわいいなあ』って
  思うもので、
そっちはそうでもないもの」


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「えーっ! それは花子にしかわからないじゃないか。」
 とぼくが思わず言ってしまったので
     「わあ~、だいしっぱいだ~」と花子が泣きべそをかきながら
     手紙用の便せんを食べようとするので、あわてたよ。

「だいじょうぶだよ。花子が集めてくれたものを使って、
 ぼくも仲間分けしてみるね」



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「これでよし。厚くて丈夫そうな紙でできているものと
薄い紙でできているものに分けてみた!
でも、これでいいのかなあ…」

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おとうさんがお仕事から帰ってきた。

ぼくと花子の「紙しらべ」のことを話したら、おとうさんは
こう言ってくれた。

「そうだねえ、花子の分け方は理由がはっきりしていておもしろいなぁ!
草太の分け方もなかなかいいぞ。紙の厚さで分けたんだね。どっちも
まちがっていないよ、よく気がついたね」



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「それじゃあ、今度は使いみちで分けてみようか?」と
おとうさんが提案してくれたので、みんなでまた紙の仲間分けを
しなおしてみたんだ。

  ひとつめは、文字や絵を書くための紙、印刷してある紙
ふたつめは、中に物を入れて保管したり、運んだりするための紙
みっつめは、水分や汚れをふきとるための紙

なぁるほど! ぼく、こんな分け方は思いつかなかったよ。


 紙の種類はとても多くて、いろいろな分け方があるんだって。
 ぼくがやったように紙の厚さで分類したり、
  おとうさんといっしょにやってみたように使われ方で分けたり、
 紙の原料で分けたり、
 作り方で分けたり…。

  そして、なんと、分け方を組み合わせて分けたりもするんだって!
 もう、わけがわからなくなりそうだ~。



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夕ごはんのあと、花子が公園でひろってきた落ち葉を紙に貼って、
 おばあちゃんに贈るカードにした。

おとうさんの会社で作っている
カッコイイ富士山の封筒に入れて送るんだよ。



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なにしろ、紙は森の木からつくられているんだから、紙と木の葉っぱの組み合わせはよく似合うよね!
 
おばあちゃん、よろこんでくれるかな?





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きょうは紙の役割っていうことを、ちょっぴり考えた。
毎日なにげなく使っている紙だけど、ぼくたち、紙が
なかったら困っちゃう。

でも、おとうさんが言っていたよ、
どんどん木を切って使うだけじゃダメだって。

元気な森を育てることが、人間も含めたいろいろな生きものにとって
必要なことで、そのためには、森や林を
ほどよく手入れすることが大切なんだって。
ちょっとむずかしいや。

でも、すぐにはできないけど、
ぼくもいつか森を守るような何かができるといいな。