千葉県鴨川市 大山千枚田
2011.8.27 大山千枚田 棚田クラブ(事務棟)より
2011.12.16 上に同じく事務棟より
夏と冬の景色
里山の荒廃が進むなか、都心から一番近い千枚田として知られる大山千枚田。この時代にこれだけの景観を保つのは、たくさんのご苦労があるように思えます。夏に友人たちと見学したときには、その美しさに見惚れるばかりでした。しかし、今になって当ホームページ「里山から…」にご登場いただきました宇都宮大学の髙橋先生のお話で、「農家さんの担い手がいなくなれば、里山も無くなります…」と仰っていたのが気になっていました。この大山千枚田は、農家さんがどのような思いで続けているのだろうか。改めて大山千枚田を調べると、NPO法人大山千枚田保存会さんが大山千枚田を紹介しているので、早速色々と教えて頂けないものか連絡してみました。
2011.12.16
大山千枚田保存会 浅田大輔さん
すぐに了解下さり、NPO法人大山千枚田保存会代表の浅田大輔さんにお会いできました。びっくりです!初対面ではなかった。夏に見学したとき、収穫準備をしながら私たちと楽しくお話しをしてくれた方でした。下の写真は、その時のもの。
今回、一番聞きたかった話の内容として、誰が主体となってこの大山千枚田が成り立っているのか?ということ。
そのお伺いできたお話の内容をまとめると!! 農家の方々、都市部の人(棚田のオーナーさん※)たち、そしてそのつなぎ手としての浅田さん、保存会さんたちであることが解りました。三位一体といったところでしょうか。里山を荒廃させることなく、次世代にも残し、受け継いでゆく一つの理想の形が、大山千枚田で見ることができたのではないかと思います。
2011.8.27
この時期、先にお酒をつくるためのお米を収穫、次に食べるためのお米の収穫に移るのだそうです。代表の浅田さんと安田さん(右)は、いまお酒用のお米の収穫作業中!!育てるところから始めて、酒造業の方に依頼してお酒をつくります。・・・これはきっと美味しいに違いない!! 食べるお米だけじゃないんだ!!・・・会員になるの検討しますっ!!
※棚田オーナー、お酒については、大山千枚田保存会 http://www.senmaida.com/ホームページで。
友人たちと!! 夏
声をかけた私自身が初心者。話を聞いたり、本を読んだだけ。友人たちも「里山???」。けれども大山千枚田に到着したら「うっわぁ~~!! すごぃ!!」と、携帯、カメラでパチパチ。
いい時間
写真で見るよりずっと鮮やかでした。少しの時間でしたが、感動ものです。人と自然が造り出した空間が、そこに意識を持たずにいた私たちに何かを投げかけてくれた瞬間でした。
2011.12.16
来年に向けて一休み。ここの棚田は、日本唯一の雨水田だそうです。強い粘土質の土地が、雨水をしっかりと蓄えます。
まだ眠っている!?
当時たくさんあった棚田が、使われなくなり竹の侵食などをうけ、今も100以上が埋まった状態だそうです。
安房鴨川駅から
大山千枚田に向かう道筋には、絵に描いたような里山風景が!! 思わず車を止めて見入ってしまいました。
高台に向かうと
地形に合わせて棚田があちこちに存在します。夏と冬を見学できましたので、次は春ですよね!必ず来ます!!
千葉県で一番高い愛宕山(標高408m)
大山千枚田を事務棟から見て、正面右に見える山が愛宕山。頂上にあるゴルフボールみたいなのは、自衛隊のレーダーだそうです。UPの写真なので、肉眼では風景の美観を損ねることはありません・・・。
安房鴨川駅の南側は、すぐ海です。
この海岸まで大山千枚田から20km位。それでも潮風が、棚田まで届くそうです。植物によっては影響を受けて、枯れてしまうこともあるそうです。
考えてみると、海に触れない都道府県は8県だけ。多くの土地は、海の影響を受けているわけで・・・里山と海の関係・・・これも見つめてゆきたいと思います。
この大山千枚田に再度お伺いしたいと思います。まだまだ、感じられることがありそうで。私たちの将来へのヒントがたくさんありそうでなりません。
お忙しい中、お相手いただいた保存会の浅田さんに心より感謝いたします。