フォトレポート 里ガール・新木場&白老

GR 164.jpg2012年7月12日 シンポジウム「森・川・海のつながりを考える」  

昨年の夏、私たちは、里山への理解を深めるためシンポジウム「森・川・海のつながりを考える」(シンポジウム「森・川・海」実行委員会主催)を聴講して参りました。そのなかで、北海道漁協女性部の1988年から続く全道での植樹運動に興味が湧き、一度お話を伺いたい、現場を見てみたいそんな想いになりました。海に生きる方々の山・森・川に対する考えと行動に引かれてのことです。豊かな森が豊かな海を作る。その現場が見たい!!そう思っていた矢先に、No.4で紹介いたしました王子製紙苫小牧工場の見学という機会に恵まれたことから、このチャンスに道内里山を少しでも肌で感じるべく植樹現場へも足をのばしました。

 写真は、牡蠣の養殖で有名な畠山重篤さん。会場は満席。6名のパネリストが森・川・海の関係について熱く語る姿に、私たちも頷きながら聞き入っていました。

白老町 「お魚を増やす植樹運動」の現場へ(2012.10)

見つからない!

「お魚を増やす植樹運動」その現場を御紹介いただいたのは、白老町役場。電話で現地までの目印を丁寧に教えて下さいました。そして当日、準備万端で向かったのですが・・・。なかなか見つからない。途中まで上がってみたものの見つけられず、もう一度道筋のポイントを確認しながらと言うことで山を降りたのでした。
2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 210.jpg
白老町役場の方が、植樹された場所は私有地の中にあり事前に持ち主の方に許可を取って下さるという骨折りもあったため、このまま見つけられずに帰京するのは情けない・・・。村役場に電話したくても休日のため不在、う~ん・・・困った。

できて間もない林道と町役場の方に聞いておりました。多少のアップダウンはあるものの、右上写真のような道筋が続きます。ところどころにポール(上写真)が立っていて、「造林作業用以外の車両通行お断り」と書かれています。益々心細く、少々あきらめ気分にもなりました。

2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 214.jpg

助かった!!

 山を下りて林道入口にさしかかった時、一台の車が止まり人が降りてきました。ファミリーカーで「立入禁止」の看板の中に立ち入っている私たち・・・、こりゃ文句言われて説明を一からしないといけないのかと。予定も詰まっており時間も無いのに、文句言われて現場見つけられずでは・・・。

 ところが状況は一変、車から降りてこられたのはこの山の持ち主の方、岡田明弘さんだったのです。岡田さん曰く、町役場から連絡をもらっており、ダンプカーの運転手から(「立入禁止」の看板を超えて入っていく時に、睨むようにこちらを見て通り過ぎて行ったダンプカーの運転手さんがいらしたのでした。)現場に誰か入っていると聞かされ、気になってきてくださったのだそうです。

コピー ~ 2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 228.jpg岡田さんの御蔭で現場到着

ありがとうございます。助かりました!!

2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 229.jpg桜が植樹されていました

いつの日か、ここに人が通い花見でもしてくれたら、と岡田さん。

コピー ~ 2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、K 013.jpg「密集しすぎているので手を加えないと」、「山の下にはすぐ海があるでしょ」

確かにここへ来る途中、道の脇はこの密集度!

2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 042.jpgここだけではないのです

山の持ち主である岡田さんは、ここだけでなく山をより元気にするため他のエリアでも間伐、植樹をしていらっしゃるとのことで、ご案内いただきました。

2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 235.jpg5分とかからず次の場所へ。道の脇に伐り出された木が積み上がっていました

この伐り出された木材は、白老や苫小牧の製紙会社が購入してくれると。普段「紙」を扱っている私たちには「紙のもと」を直に見ることができました。

2012.10.06 漁協、アイヌ、ポロト、 007.jpg鳥獣害に合わぬようネットが張られていました

このエリアが岡田さんの植林現場。「大きく成長した木を私たちが見ることはできませんが、次、またその次の人たちが続けてくれればいいですね」という岡田さんの言葉に・・・心打たれました。

この度、北海道白老町役場の皆様、岡田重機(株)岡田明弘様には、突然のお願いに快くお取りはからい頂き大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。森と海との関係は、言葉や理屈として解ってはいましたが、遠い先を見つめてしかもごく自然に日々行動されている方々の姿に触れて、私たちの認識を新たにいたしました。またお会いできる日を楽しみにしております。ありがとうございました。