フォトレポート 里ガール・苫小牧王子

王子製紙 苫小牧工場 (2012.10)

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ここは、王子製紙苫小牧工場 千歳第一発電所(第5まであり)。支笏湖の水を利用したこの電力で、苫小牧工場の電力をほぼ賄えるとのこと。明治43年スタートなので100年以上電力を作り続けています。産業用水力発電所としては、日本最古だそうです!!

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北海道内から集められた間伐材。苫小牧工場では、紙を作る約50%が、道内からのもの。外材が主原料となる国内において凄い数字なのではないでしょうか。道内全体が、「里山です」と言った方がおられましたが、「なるほど!!」の一言です。

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原材料置き場の脇に用水路があり、工場内へと引き込まれています。こうして工場内に運ばれた材量は、早速パルプを取り出すための工程へ。

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まずは、流れ着いた木材を洗濯機のようなイメージの機械ですが、そこで互いにぶつかり擦れ合いながら樹皮がはがされてゆきます。

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左の写真は、紙の原料となる木材をすりつぶすマシンの一部、茶色く写っているのは木材がすりつぶされる際のヤニだそうで、このマシンも創業からのもの。そうなんです、水力発電所とともに100年以上現役なのです。

工場内を歩いていると、見学歓迎の電光掲示板が・・・。ただただ頭が下がります。こちらこそ、お忙しい中ご対応いただきましたこと感謝申し上げます。



2012.10.05 苫小牧工場 120.jpg「大きい!!」紙を作るマシンを見た瞬間の感想。このマシンの中に、網戸の目の細かいネットのようなシートがあり、そこに水に溶かした木の繊維を吹き付けます。その後脱水乾燥して紙に仕上げます。ネットの動く速度は、時速108km!!

2012.10.05 苫小牧工場 276.jpg脱水乾燥して出てきた紙は、幅が約9m。それを巻とった後に、さらに小さいサイズに仕上げてゆきます。輪切りではなく巻き返しながらスリットし必要寸法に仕上げます。

「紙は機械が作るんじゃない、人が造るんです。」今回訪問させて頂きました王子製紙苫小牧工場長さんの一言です。忘れることのできない一言であり、また考えさせられる一言にもなりました。100年以上前にこの土地の力を見抜き、ここに工場を築き上げたとともに、100年以上前のマシンを大切に生かし続け今も製品の強みとして活用していることは、「すばらしい」の一言以外見つかりません。この紙作りの姿勢は、この業界だけでなく多くの産業界が見習う点がいくつもあるように思えます。また、私たちの生活一つ一つを取ってみても見直さなくてはならない点がいくつも出てきそうで・・・。
そして、道内が里山と言われる地域に密着した、地域を生かした紙作りに感動に似た思いで一杯です。お忙しい中、ご対応いただきました王子製紙苫小牧工場の皆様、心より御礼申し上げます。