小さいけれど大きな力を感じます!
前回のスライドショーで使用した写真です。ご協力頂きます太田さんの家の前に広がる景色です。2013.4.21
『里山に生きる』のコーナーは、今回より星野(星野農林)さんと一緒に閑馬地域の活性に力を注ぐ太田靖彦さんにもご登場いただき、太田さんが取り組む「シンセキ村」を中心に、そして閑馬地域全体に視点を広げ訪問回数を重ねて参ります。
原木椎茸栽培の出荷再開に向けて、その仕込みが始まった星野さんへも引き続き訪問させて頂きながら、これまで以上に広く里山で生活する皆様と会話してゆきたいと思います。太田さん!! そして「シンセキ村」の皆様!!、どうぞよろしくお願い致します。
ご登場頂く太田靖彦さんは、数年前から閑馬へ移り住んでいらっしゃる方です。以前は、都市部で働いていらっしゃったそうです。しかし、体への負担が大きいお仕事だったため、将来のことも考え、アウトドアが大好きだった太田さんは、自然の多い場所での生活を選んだそうです。畑仕事に田んぼで米づくり、味噌もつくり、作物を育てながら大学へ通い、農業の勉強をしていらっしゃる方です。
そんな太田さんが中心となって、御友人たちやそのお仲間の方々で農業実体験をされている「シンセキ村」。そこへ通う都市部で働く皆さんや学生さん。私たちも星野さんの紹介で、通える機会は少ないですが、一緒になって汗をかかせて貰えることになりました。
クロヌリ 体験
2013.6.8~9
田植え前
今回、当社から参加したメンバーは皆初めての田植え作業。田植えのイメージは、ある程度持っていたのですが・・・。
「シンセキ村」での田植え作業に心を躍らせていましたが、その前週に「クロヌリ」という体験メニューがありました。「クロヌリ?」早速調べてみると「畦を土で塗り固めること」とあります。せっかくの機会なので参加してみることにしました。
腰がへし折れそう
いざ当日、「シンセキ村」の農業体験に参加された皆さんに混じり田んぼへ向かう準備を。田んぼに入るのはわかっていましたので、泥にまみれても良いような服装で、これでOK!!そう思っていました。
すると皆さん、長靴をはきはじめ・・・持ってきてない・・・。素足でやればいいかと思いきや、やはり危ないということで太田さんが長靴を貸して下さいました。準備不足!!素人丸出し!! 太田さんありがとうございました。
帰りがけ、専門ショップを教えてもらい、農作業用(田植え用)と表示のある長靴を購入して、次週の田植えに備えたのでした。
田んぼの中での作業は、土に足が埋まるのは解っていましたが、自由がきかないのは想像以上。また、鍬で田んぼの中の土をさらって畦に持ち上げる際の重さも大変なもので、すぐに汗だくになりました。
これは、重労働、これで田んぼが広かったら・・・。家族で食事をするときに「お米を一粒も残してはいけません!!」そう教わったことを思い出します。
田植え体験
2013.6.15.~16
集中してます!!
前週のクロヌリ体験で体が良い緊張感を持っていたのか、さほど体に堪えることなく作業できました。が、実際に田植えした面積と田植えを行った人数からすると・・・。この作業を一人、もしくは家族単位の人数でこなすことを考えると、その御苦労は想像できません。しかも、収穫は天候に左右され、収穫は必ずしも保証されていないことを考えると「働く」ということの過酷さを感じました。
今回の田植えは、太田さんにとってチャレンジとなる内容を盛込んでの作業。日頃、勉強をされていることの実践となりました。通常より苗と苗との間隔をあけ、さらに植え込む苗の株数を減らして、またクロ(畦・あぜ)を通常より高くし田んぼの水の量を多くするというもの。これにより、田んぼに発生する雑草を少なくするそうです。無農薬栽培をしていらっしゃる太田さんの収穫までの作業効率を上げ、かつ収穫量を保ちながら美味しいお米を作ります。
「シンセキ村」田植え作業初日に参加された皆さんと!
田植え作業に参加して、太田さんから教わったとても大切なこと、それは、年間を通じて田んぼに手をかけてゆくこと。刈入れが終わり、来年へ向けての作業がまた始まる。終りの無い作業が続いて行く。食べ物の向こうに人の存在が見えにくくなっている今、私たちは食べ物を大切にする心を忘れてしまっているように思えます。閑馬で太田さんと星野さんの活躍は、次世代に向けて大きな意味を持っていると感じずにはいられません。
星野農林さんでは、日本各地からほだ木を取り寄せて、原木椎茸栽培を再開しました。植菌作業を終えたほだ木は、湿度を与えるために水をかけます。そのほだ木のあるビニールハウスの中を見せて下さいました。そこには、私たちが前回の椎茸植菌作業体験で植え込んだものも含めて3,500本以上ものほだ木が(体験した本数は10本くらいか!?)。
多くのほだ木の断面に白い斑点が付いています。これは、「菌紋」と呼ばれるそうで、椎茸の菌が木の繊維に沿って回り始めた証。この後、菌紋は褐色に色が変わり椎茸が出るのを待ちます。菌糸から椎茸に生長する過程を観るのは、もちろん初めてのことですが、この沢山のほだ木を前に、復活に向け戦っている星野さんにお相手頂いている私たちは光栄だとさえ感じます。
再開された原木椎茸栽培は、日本各地の放射線量測定済のほだ木を使用されています。だからと言って、収穫できた椎茸がすぐに出荷できるということではないそうす。ここに散水する水も測定が求められ、かつ出荷前にも線量測定が必要だということでした。まだまだ本当の意味での復活は、これからと言えそうです。私たちは、星野さんが椎茸を販売できる日が来るまで待つことしかできませんが、しっかりと見つめ応援し続けてゆきます。