里山 冬

大勢でアズマネ笹を刈り込みスッキリしたよ!!栗を取るため熊がよじ登った爪痕ここに遊歩道を作るんだ!!熊・鹿・猪よけのフェンス 熊がかからない大きさなんだ。九州産ほだ木活躍の場面を待つ山羊たち親子なんです!!雨上がりの閑馬。とても綺麗でした。
今回の『里山に生きる』は、2013年3月と4月の訪問を合わせての紹介です!! (写真合計9枚)

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「今年は栗もあまり実らなかった。」

熊が食べた栗の皮が残っていました。このところしばらく雨が降らなかった影響で木の実・栗などが少ないそうです。殻を割ると実の入っていない栗がいくつもありました。

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「熊に折られた枝には葉が残る。」

熊がよじ登って枝先の実を引き寄せるために枝が折れ、栄養分が行かなくなった枝に葉が残る。ドライフラワーのイメージでしょうか。

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「ここ4カ月で23頭は捕らえたよ」

星野さん手作りの罠。直径わずか12cm。この大きさは決められているとのこと。
常日頃から野山を歩き、動物たちがどこを通っているのかを見定めて、仕掛ける場所を決めるのだそうです。地形や倒木などを利用して4つ足動物が足をつきそうな場所に罠を置き、気が付かれないように落ち葉や土をかぶせます。しかし、その鋭い嗅覚で察知され罠を飛び越えるのを目撃したこともあるそうです。罠についている人工的な臭いが消えるまで、獲物がかかりにくいということでした。

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「これが椎茸になるんだ!」

椎茸の菌糸。立派な椎茸になるためにこの菌糸が雑菌に負けないよう、そしてホダ木(椎茸を育てる原木)にまんべんなく菌が広がるよう埋め込む位置を工夫するそうです。

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「うふふ。。。なかなか上手でしょ!!」

専用のドリルで、椎茸菌糸を埋め込む穴をあける作業にトライ。一つ一つの穴が、近すぎず遠すぎないよう、力まず、リズムよく♪慣れると楽しい~!!

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「山から取ってきた砥石だよ。」
「山から・・・!?」

椎茸の植菌作業をしていると、側で星野さんのお父さんが何やら他の作業を。行ってみると包丁を砥いでいらっしゃいました。これは天然砥石で、閑馬のおとなり飛駒と言うところで取れた飛駒砥(ひこまど)です、と説明くださいました。私たちにとっては、山から取ってくるという感覚は、とても新鮮に感じます。

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「笹がいっぱいで向こうは見えないところだった。」

地域の皆さんで整備を進めていらっしゃる遊歩道を見せて頂きました。ここに遊歩道を設けることによって、山から田畑へ動物たちが出て来るのを防ごうというものです。整備をする前はこの辺り一面が東根笹(アズマネザサ)に覆われていて、15人掛かりで2日間をかけて刈り取ったそうです。こうして見通しが良くなってみると、改めてこの閑馬の美しさに気付いたとおっしゃる地元の方もいらしたとか。人が手入れをすることによって生物多様性が豊かになる里山。私たちはその美しい景観を楽しむこともできるのですね。

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「山羊を放牧しようと思うんだ。下草を食べてくれるからね。」

美しい景観を保ち鹿や猪から農作物を守るためには、この状態を維持する必要があります。そこで閑馬では、この地域では始めて山羊を活用した草取りに取り組もうと準備しています。幸い近所には羊を飼っているお宅や大型動物の獣医さんもおられるということで飼育する環境が整っているとのことです。山羊の活躍が今から楽しみです!!

 星野さんが東京洋紙店を受け入れて下さって、今年の9月で2年になろうとしています。とても丁寧かつ親切にその都度色々なことを教えて下さっています。初めてお会いした時は、東日本大震災のあった年で、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響が原木椎茸栽培に大きくのしかかり、先が見えない中でしたが嫌な顔一つ見せずに今日まで御対応下さっています。
 そして、ようやく星野農林さんは次のステップ、原木椎茸栽培再開に向けての準備が始まりました。ハウスでの限られたスペースですはありますが、来年へ向け仕込みが始まったのです。出荷にあたっては、様々なハードルがあるとのお話でしたが、是非乗り越えられるよう祈っています!!

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