里山 秋

星野さんのお母様。いつもお世話になります!!初めてお会いしました太田さん。これからも宜しくお願い致します。ウリ坊だけじゃダメなんだ。親が入らないと。緊張感漂う・・・猪の身体についていた、ダニ!! こわい・・・ 100kg超の大物も !! 星野さん特製 鹿ジャーキー山で猪がかかった!! (仕)留めて山から下ろしてくるから!!   (写真 全10枚)

澄み渡る秋の日、佐野市閑馬の星野農林さんを訪ねました。 今回は、頭を痛めておられる鳥獣害対策について、秋の里山を歩きながらお話を聞かせて頂く予定で一路閑馬へ!すると、何と猪までもお出迎え!! 幸運にも取材の日の朝、星野さんが仕掛けていたワナに猪(2〜3歳の雄)がかかっていたのです!

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「大きい!」 
「2~3歳だ!大きくはないよ」

猪を2人がかりでトラックの荷台へ!右は星野さん、左は相棒の太田さん。肉を裁く作業からは切り離されている都市部に住む私たちは、これから始まる作業に対してある種の恐怖心がありました。

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「臭わないですね」
「時期によるかな」

実際の様子は、自然の風景の一部として私たちの目に写ったのです。遠くの、猪や動物たちが住む大きな山々に抱かれて、静かに動物と向き合う姿に美しささえも感じました。

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「沢ガニがよってくるよ、雑食だからね」

(仕)留めた猪は、すばやく内臓を取り除き、さらに体温を下げるために沢で一晩寝かせます。こうすることで、肉が傷まないのだそうです。

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「罠にかかった猪は危険だ。向ってくる。」

猪が罠にかかった現場です。鹿や猪が歩く道や方向を見極めて罠を仕掛けます。どうにかして逃げようと必死の猪が暴れ回った斜面は、そこら中掘り返されていました。状況によって槍で突くか銃でトメる(仕留める)わけですが、今回は銃でトメたとのこと。猪と対面する時は、まさに命がけ。銃を放つ際には自らは山側に回って狙うことで、万が一猪が向かって来た時に備えます。

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一見のんびりとしたいい風景なんですが。。。

このあたりはコナラとクヌギが少し見受けられます。薪や炭で使われなくなり育ちすぎた雑木ばかりが目立つそうです。私たちにとって、景色だけを見て里山林の現状を把握する難しさを感じました。

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この下草(ひこばえ)は、鹿・猪の大好物

収穫量にかかわる台風、長雨の影響を避けるため、昔に比べ早い時期に田植え・稲刈りをするようになったそうです。その為に、気候がまだ温かく、刈り取った稲から新芽「ひこばえ」が出てしまい、それが猪や鹿の絶好の餌となっているそうです。この時期の草刈りが、鹿、猪の個体数を増やさないポイントの一つだそうです。

 猪を裁いてゆく一つ一つの作業を、迷いなく進める手際の良さに見入ってしまった私たち。星野さんは、「ここまでくるのに9年はかかったよ。」と聞かせてくださいました。

 星野さんにお伺いするたびに様々な気づきや刺激を受けていますが、今回は思いがけず貴重な体験をすることができました。普段、私たちの食生活は「命を頂いている」ことで成り立っている。その理屈はわかっていても・・・食べ物への感謝や命ある恵みが私たち人間を支えてくれていることを実感できる場面はなかなかないですよね。 
星野さんへ!猪へ!そして閑馬に感謝!!ありがとうございました。

次回は、鹿、猪を捕まえるワナなどを見せて頂きながら第4回をお伝えしたいと思います。お楽しみに!!

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